神社奉拝

官国幣社巡りの記憶

来月から令和元年ですが… ☆総数が100を超えました

約200年ぶりのご譲位に伴う改元、憲政史上初の事前公表という歴史的瞬間

私も画面に張り付きっぱなしでした。

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平成生まれの私が元号を意識したのは小学5年頃、社会科の教科書巻末の年表を眺めながら、「平成」の前には「昭和」がかつてあってその前は「大正」、「明治」……。「平安時代」「鎌倉時代」なんていう為政者の拠点や体制で決まる呼称は歴史を捉えやすくて腑に落ちるけど、明治以降は「天皇」と呼ばれる一人の人間の死によって時代が区切られてしまうのか……どれだけすごい人なんだろう、と考えたのを思い出します。

当時は小学生ですので、もちろんこんな小難しい言葉は使えておらず、今の語彙力で表現したものですが。

 

大化の改新」「承久の乱」「安政の大獄」など習っていても「明治」「大正」「昭和」「平成」と同列の元号という認識は薄かったですし、慶応以前の元号はそもそも崩御と一対一の関係でもなく。

 

そして、ふと、「今の平成は永遠じゃないのか」と。平成の次は何になるんだろう、という好奇心が頭をもたげると同時に、そのことを考える不謹慎さに気づける年齢でもあったのでそっと胸にしまったことを覚えています。

 

それから十数年。まさか、テレビやSNS(そんなものは当時全然身近じゃなかった)で新元号を予想するようなお祭り騒ぎの改元を迎えることが来るなんて、この日までは想像だにしませんでした。

 

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この日も事前に重大発表があると聞いて、平成に生きる人間としてはしっかり見届けたいと画面前に張り付いていました。お言葉を耳にして、戸惑いました。

端的に「天皇としての務めを続けるのが難しい」という宣言に解釈できるけれど、皇室典範によるとご崩御なくして皇位継承は不可能だったよね……今の皇太子殿下に摂政をお願いするということだろうか。大正天皇の御治世でも後の昭和天皇が摂政となっていた事例も直近にあった訳だし。でも、このようにお話になられたからには、摂政を解決策とはお考えではないのか……と。

 

(前略) 天皇の高齢化に伴う対処の仕方が,国事行為や,その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには,無理があろうと思われます。また,天皇が未成年であったり,重病などによりその機能を果たし得なくなった場合には,天皇の行為を代行する摂政を置くことも考えられます。しかし,この場合も,天皇が十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま,生涯の終わりに至るまで天皇であり続けることに変わりはありません。天皇が健康を損ない,深刻な状態に立ち至った場合,これまでにも見られたように,社会が停滞し,国民の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます。更にこれまでの皇室のしきたりとして,天皇の終焉に当たっては,重い殯の行事が連日ほぼ2ヶ月にわたって続き,その後喪儀に関連する行事が,1年間続きます。その様々な行事と,新時代に関わる諸行事が同時に進行することから,行事に関わる人々,とりわけ残される家族は,非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。こうした事態を避けることは出来ないものだろうかとの思いが,胸に去来することもあります。 (後略)

 *1

 

 

今月30日、いよいよ退位の礼をもって今上天皇はご譲位あそばされ、来月1日、令和新時代が幕を開けます。

万葉集を典拠とした初めての元号

初春の月にして、気淑く風ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす。

*2

 

「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」(総理大臣談話)との願いが込められているそうで、様々な分断が世界的に顕著になりつつある今のご時世だからこそ輝く素晴らしい元号だと思います。

 

 

 

さてさて。

前置きが長くなりましたが。

こちらのブログ、特にブログ開設時に説明もなく毎月1日に各地の神社の祭日について、15日に私が訪れた神社の紹介を淡々と行ってまいりました。境内や由緒から様々な歴史が見え隠れする神社に魅力を感じ、かといって神社は無数にあるので、明治期から第二次世界大戦までに国の制度として存在した「官国幣社」に関連のある神社を巡るという制約条件の元で不定期な一人旅を行うことに5年ほど前思い立ったのでした。紹介する神社はその旅行で出会った神社です。

二十二社や一宮、勅祭社、式内社などの括りもありますが、数としては国幣社が少なすぎず多すぎず満遍なく日本各地を訪れることができてちょうど良いと思ったのです。

200社超えるけどねぇ……

これまで8社を紹介してきました。

東京都の 日枝神社

京都府の 賀茂別雷神社八坂神社護王神社

福岡県の 香椎宮住吉神社

佐賀県の 田島神社

長崎県の 海神神社

 

個人的に記録を残したい思いから始めて、皆様にご覧いただけるのは副次的なものとして捉えておりましたが、ご愛顧いただけているのか、

☆総数が本日100を超えました!

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これからも基本的には淡々と更新を続けますが、小難しい文章は是非読み流していただいて神社の様々な表情を拙い写真ではありますが楽しんでいただければ、と考えています。

令和元年となっても、よろしくお願いします。

 

*1:平成28年8月8日・象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば

*2:万葉集』の「巻五 梅花の歌三十二首并せて序